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ストラップ

革細工を始めた理由はカメラ用の良い革ストラップが無かったから。1980年代初めの頃までLeitzという光学機器メーカーが質の良い革ストラップを作っていました。まだ何とか手に入る頃に知人が1本くれたので使っていましたが、新品だったせいか堅くて使いやすいとは思わなかった。

その良さに気付いたのは数年程後。もう1本欲しいと思った時にはすでにデットストックや中古も見当たらず、質の悪い偽物が出回っている状態でした。何年か探していましたが、あきらめて自分で作ることにしました。——今はデットストック物が出回っているようですが、高額なふざけた値段が付いているようです。

目次



材料

まず革が無いと始まらないので何件もの革問屋さんを回りましたが、カメラのストラップに使えるような革はなかなかありません。何枚かの革を買って失敗をくり返しました。

カメラのストラップを作るには90センチから120センチ位の長さが必要です。牛一頭の背中から縦に半分を買わなくてはなりません。安いのは1万円以下からですが、薄く細く切ってカメラの重さに耐える革は2万円以上しました(1990年頃)。今どのくらいの値段なのかは知りません。

名前も分からない安物を買っては痛い目に会って、最後はスーパーキップという革に辿り着きました。Leitz製と比べると少し柔らかいので満足したわけではありませんが、それまで買った中では最上品。これで良し(止し)としました。

ちなみにカメラのストラップ用として、現在ほぼ100%使われているナイロンという素材自体は嫌いではありません。カメラストラップ以外の修理とか工作には好んで使いますが、カメラには革です。


完成品

長さ調節可能のストラップ

長さ調節不可のストラップ

使いやすいのはタイプ 3と4です。長さを調節する部分が無いおかげで軽く、絡まったりしません。

タイプ1と3は二重リングでカメラと繋がります。2と4はストラップを直接カメラに付けるタイプに対応していてリングも使えます。

リングは三角形をしたNikon製がオススメです。これにはストラップの余計な動きを止めるプラスチックが付いていてストラップに傷がつきにくくなっています。


リング

本当は丸い二重リングが好みなのですが、現在作りの良いリングは無いようです。東京の浅草橋や蔵前辺りの問屋さんを足を棒にして探しましたが、現在手に入るリングはどれも切り口の隙間が大きくて、ストラップに傷がつきやすくなっています。1970年頃のLeitzのストラップのリングは肉厚があって切り口の隙間がほとんどありません。実に美しい作りです。中古のカメラにこのリングが付いている事がありますが、「リングだけ欲しい」と言ってもまず売ってくれません。変人扱いされます。

2〜30年程前、プロが使っていたアメリカ帰りのNikonとかヨーロッパ帰りのPENTAXに付いている事が多いです。当然ですがLeicaも。

ところでビートルズの4人は写真を撮るのが好きだったらしく、カメラを構えた写真を何度か見た事があります。スーツを着ていた若い頃で、PENTAXにLeitzの12ミリ幅のストラップを付けていました。最初にその写真を見た時は、何故ビートルズのような大金持ちがPENTAXなんだ(失礼極まりないですが、正直な感想)と思ってましたが、その頃ヨーロッパのプロはPENTAXを使う人が多かったみたいです。

60、70年代のアメリカのカメラマンの写真(カメラマン自身のポートレイト)を見るとNikonにLeitzの12ミリ幅が多いです。後に12ミリが10ミリ幅になります。最初に貰ったストラップも10ミリ幅でした。1982年頃から使っていますが、まったく問題有りません。

閑話休題、このリングが手に入らないのでストラップ作りは止めました。

カメラが減っていき使わないストラップが増えていく一方なので、新たに作る理由もありません。


カメラバックのストラップ

カメラのストラップは2ミリの厚さの革を使いましたが、これは3ミリの厚さ。新たに3ミリの厚さの革を買うのは嫌だったので、楽器店で買ったギターのストラップを加工して作りました。1990年頃から使っていますが問題無し。

肩当は使いつぶした市販のバックのものを再利用しています。二枚の革を縫っただけの単純な作りで、肩当の中をストラップが自由に動きます。肩が当たる側はバックスキンで滑り止めになっています。自分で新規に作るまでの間に合わせのつもりでいたのですが、使い勝手がなかなか良いので使い続けています。

バックの重さで、革が伸びるのを防止する為のステッチを革の両端に加えています。ついでにバックとストラップを止める為にもステッチをしています。強度はこれで十分だと思いましたが、見た目にメリハリが無いのでカシメも追加。カシメは強度的には何の貢献もしていないと思います。

革を重ねて止めるにはカシメを使うより、糸で縫うのが一番強いような気がします。カシメは楽をしたい時に使う事が多いです。カメラのストラップにカシメを使ったのは、お手本にした Leitz 製に対する敬意。


他、ストラップ 革 カメラで検索してみる。



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2000年5月26日-2006年4月21日 © 2000-2005 上浦寛
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